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中央環境審議会大気環境部会
自動車排出ガス専門委員会へのJCAPからの報告
(平成13年9月6日)

JCAP推進部

このたび一般財団法人石油エネルギー技術センター(理事長: 出光 昭)は、題記ヒアリングにて次のとおりJapan Clean Air Program(大気改善のための自動車・燃料等の技術開発、略称: JCAP)の研究成果を報告いたしました。

本ヒアリングは、環境省が今後の自動車排出ガス低減対策のあり方を検討する為に実施されたもので、JCAPの3つのワーキンググループ(以下WG)から「自動車及び燃料技術による大気環境改善策とその効果」に関する最新の技術情報を報告したものです。

1.日時・場所等

主催
環境省
日時
平成13年9月6日(木) 10:00〜12:00
会場
経済産業省別館8階827号室

2.報告内容

(1)大気モデルWG報告

JCAP 大気モデルWG主査 山崎 哲((株)豊田中央研究所)

JCAPでは、自動車及び自動車以外の排出源からの総排出量の推計をベースに、大気モデルシミュレーションにより、排出ガス低減対策が広域及び沿道の大気環境に及ぼす影響を評価している。今回、この大気モデルシミュレーションを用いて、ガソリン車及びディーゼル車からの排出ガスを低減させた場合に、大気環境がどの程度改善されるかを推定した。その結果、新短期・新長期規制の導入により、2015年時点での大気環境は2000年と比較して、次のようになるものと推定された。

  1. 自動車からの排出量は、HC、NOx、PM(タイヤ磨耗、巻上げ含まず)共に、約1/3〜1/5に削減される。
  2. 関東圏のNOx法対象地域における広域大気中のNO2、オキシダント、SPM濃度は平均で、それぞれ、約25%、20%、15%削減される。都心部等の高濃度地区においては、更に低減する。
  3. 沿道大気におけるNOx及びSPM濃度は、それぞれ約45%、30%低減する。

添付資料  大気モデルWG報告資料  同補足資料

(2)ガソリン車WG報告

JCAPガソリン車WG主査 斎藤 健一郎(日石三菱(株))

排出ガスの目標値を平成12年規制値の1/2としたプロトタイプのガソリン車4車種(MPI車1,直噴車3)を用い、燃料中の硫黄分濃度を3水準(2 ppm,22 ppm,86 ppm)として、30,000 kmの走行試験を行った。その結果、直噴車の排出ガスはMPI車より硫黄分の影響を大きく受け、硫黄分86 ppmでは直噴車全車種が目標値以上となった。しかし、2 ppmと22 ppmの燃料では、直噴車の中の1車種が目標値以内であった。また、この試験を通じて、次のような将来的技術課題が明確になった。

  1. 更なる直噴車の排出ガス低減のためには、
    (ア) 耐熱性と耐硫黄被毒性を向上した触媒
    (イ) NOx・硫黄脱離のための空燃費比制御時におけるTHC低減技術
    (ウ) 高精度な空燃費及び排気温度制御技術
    等の検討が必要である。
  2. 燃料中の硫黄分低減により、排出ガスは低減する方向であるが、硫黄分低減には、燃料製造過程を含む車両ライフサイクルでのCO2排出量に視点を置いた検討も必要である。

添付資料  ガソリン車WG報告資料

(3)ディーゼル車WG報告

JCAPディーゼル車WG主査 尾山 宏次(日石三菱(株)

将来のディーゼル車排出ガス対策技術として有望と考えられている吸蔵型DeNOx触媒、連続再生式DPF(Diesel Particulate Filter)、連続再生式DPF+尿素SCR (Selective Catalytic Reduction) の3種類の後処理装置を車両3種類、エンジン3種類に搭載して排出ガスの評価を実施した。評価方法は、燃料性状が排出ガスへ及ぼす短期的な影響を調べるための「マトリックス試験(燃料:11種類)」及び長期走行時における後処理装置の触媒に及ぼす燃料中の硫黄分の影響を評価するための「走行試験(燃料:3種類)」である。後者の評価に用いた燃料の硫黄分は、100 ppm, 50 ppm, 10 ppmである。これらの試験結果から、次のようなことがわかった。

  1. 吸蔵DeNOx車
    • 触媒がフレッシュな状態のマトリックステストでは、NOx排出量はほぼゼロであった。
    • 3万kmの走行試験においては、燃料中の硫黄濃度が高いほどNOx排出量が増加した。

  2. 連続再生式DPF
    • マトリックステストでは、燃料中の硫黄濃度が高いほどPM排出が増加した。
    • 3万kmの走行試験においては、燃料中の硫黄濃度が高いほどDPF背圧が増加する傾向を示した。

  3. 連続再生式DPF+尿素SCR
    • マトリックス試験結果より、燃費悪化が少なく、PM、NOxともに高い低減効果が得られた。
    • 今回供試した尿素噴射システムの作動が不安定であり、また走行モードによるNOx排出変化が大きい。今後、改良が必要である。

  4. 燃料
    • 後処理装置へ最も大きな影響を及ぼす燃料の品質は、硫黄分である。軽油硫黄分を 50 ppm に低減することにより、新長期規制に対応する後処理装置の機能を十分に発揮させることが可能となる。具体的には、サルフェート生成の抑制、SOF分増加の抑制、並びに長期走行における後処理システムの機能低下の軽減に有効である。

  5. 今後の課題
    • 長期走行時に課題となる「硫黄被毒による後処理装置の機能低下」については、燃料側での更なる硫黄分の低減と、自動車側の被毒回復制御の改良が必要であり、両者について技術的観点よりさらに検討することが重要である。

添付資料 ディーゼル車WG報告資料