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1.プロセス技術関連

原油の重質化や非在来型原油等、供給源の多様化が予想される一方で、国内石油製品需要の減少、特に重油需要の減少が急速に進展しています。このような状況に対応するため、重質油を分解して輸送用燃料を中心とした白油や高付加価値の石化原料・中間製品などを製造する世界最先端の石油精製技術の研究開発を実施しています。

(1)ペトロリオミクス技術開発への取り組み

重質油は、非常に複雑な分子構造を持った超多成分の混合物です。これまでの重質油に対する取組みは、重質油をーまとまりの留分(バルク)として扱い、その推定に基づく平均的な構造式や一般性状等を拠り所にして精製処理を行っています。いわば科学的に解明された理想解を持たない状態です。当センターでは、次世代の石油精製基盤技術として、石油成分の組成と反応性を分子レベルで把握し、その情報を活用することで超高効率な精製プロセスの実現などを目指してペトロリオミクス技術の開発に取り組んでいます。超高効率とは、原料油の組成に応じて、水素消費の無駄ゼロ、不要な副反応生成物がゼロ、エネルギー消費の無駄ゼロなど理想状態を実現することを意味しています。

@ペトロリオミクス技術開発における基盤要素技術

(a)重質油の詳細組成分析技術
ペトロリオミクス技術の基盤要素技術の一つが詳細組成分析技術です。高速液体クロマトグラム等により、原料或いは生成油をその構造やタイプにより分離・分画(分画前処理)し、その後、超高分解能質量分析装置(FT-ICR-MS)等で詳細組成分析を実施します。膨大な成分数を含む石油試料を迅速に分析するのに超高分解能質量分析装置は極めて有効ですが、個々の分子の構造を知るためには新規な分画前処理法や構造解析手法の開発が必要であり、当センターではこれらの技術開発に取り組んでいます。

重質油の詳細組成分析を行うための分画前処理方法 常圧残油の詳細組成分析結果

(b)分子反応モデリング技術
もう一つの基盤要素技術は分子反応モデリング技術です。詳細組成分析の結果から、分子レベルでの反応解析が可能となり、その結果、反応予測が可能となります。この技術により、分子レベルでの最適反応ルートを求め、それを実現するための反応プロセス・条件、及び触媒の設計指針、並びに運転管理指標を設定できます。

重質油の反応を分子レベルで解析する分子反応モデリング

Aペトロリオミクス技術開発の展開

当事業は、要素技術の研究(=基盤研究)を担うペトロリオミクス研究室と実証研究を担う研究室の他、国内外の研究機関とも連携して進めています。特に基盤研究と実証研究とを同時に進めることで、実プロセスに適用できる技術開発を効率的に行います。以下で、その事例を紹介します。

(a)高度前処理・水素化処理による重質油分解プロセス技術開発
重質油を分解して高硫黄重油を低減することを目的に、
a.アスファルテンの凝集を緩和できる高度前処理技術
b.劣化耐性に優れた重油脱硫触媒反応
c.RFCC装置での分解反応性を飛躍的に向上させる原料と触媒との接触
本技術開発により、重質な減圧残油(API 10〜20)及び更に重質な超重質重油(API 10以下)を処理できる精製プロセス技術を確立して、高硫黄重油総生産量の30%以上を低減する技術を開発します。

図4.重質油分解プロセス技術開発の概念図

(b)触煤劣化機構解明による難反応性原料の最適処理技術開発
重質原油等由来の難反応性原料を水素化処理すると触媒活性が急速に低下する原因を、精密分析技術を用いて分子レベルで解明することにより最適処理方法の指針を得て、難反応性原料の最適処理技術を開発します。劣化触媒の状態・構造を解明する精密分析技術、及びベトロリオミクス技術等を活用した原料中の活性低下原因物質の分子構造を解明する精密分析技術を確立するとともに、原料供給工程・反応工程の最適指針を確立する技術を開発します。

(c)超重質油処理のための高度残油分解プロセス技術開発
超重質油から、他の石油製品の品質に影響を与えることなく、我が国の品質規格に適合するガソリン、灯油、軽油等の燃料油、ライトオレフインやBTX(ベンゼン、トルエン、キシレン)等の石油化学原料に転換する技術を開発します。

図5.高度残油分解プロセス技術開発の概念図

(d)分解軽油等新規アップグレーデインクプロセスの開発
主要な重質油分解装置であるFCCでガソリンとともに並産される分解軽油は余剰になることが想定されます。そこで、分解軽油等の低品位留分から、BTX等の高オクタン価留分を効率的に製造する新規アップグレーデイングプロセスを開発します。本プロセスでは、外部からの水素を導入することなくBTXを選択的に製造可能な、全く新しい革新的転換技術を開発します。