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国際会議報告 平成23年(2011年)

「第4回日欧石油技術会議」報告

当センター(JPEC)は、欧州の石油業界に対して石油および環境に関する技術情報を提供しているCONCAWE(欧州石油環境保全連盟)との間で「日欧石油技術会議」の定期的実施に合意し、過去3回を欧州と日本で交互に開催してまいりました。今年は2011年8月31日(水)10:00〜17:50 に、JPEC会議室において「第4回日欧石油技術会議」を開催しました。

当日の会議には、日本側は経済産業省、石油連盟、石油会社、エンジアリング会社、触媒会社および当センターから53名が、欧州側はCONCAWE から2名の専門家が参加しました。

今回の会議では、欧州のバイオ燃料の燃焼試験状況やIMOの舶用燃料油規制と石油業界の対応、CO2削減技術及び次世代の自動車技術と燃料などについて発表がなされ、日本側からはペトロリオミクスなどJPECの最新の研究テーマと、東日本震災後のエネルギー需給の課題、さらに水素燃料電池とインフラの普及計画についての発表がありました。討議ではカナダオイルサンドに対する欧州側の考え方、日欧での石油製品市場の相違点と触媒技術、欧州企業間での共同研究の可能性などについてのCONCAWEの考えや、バイオ燃料対策などの技術論まで広範囲にわたって活発な質疑応答が行われ、日欧双方にとって実り多い会議になりました。

CONCAWE および日本側の主な出席者の写真

特に、製油所の売却や廃止が進み、かつ再生可能エネルギー指令(RED)、排出権取引制度(EU-ETS)や改定燃料品質指令(FQD)などの「エネルギーと気候変動に関する政策パッケージ」において、環境対応を迫られている欧州石油業界の現状を聞くことができた意味は大きく、日本における今後の政策や戦略への参考になるものと考えています。

今後も、当センターは、日欧間の技術交流を継続的に企画・推進し、わが国石油産業の国際競争力強化と事業展開に資する技術情報の収集・分析と提供に努めたいと考えます。


【主な参加者】全55名

(日本側)53名
内訳: 経済産業省資源エネルギー庁、石油連盟、JX日鉱日石エネルギー、出光興産、 コスモ石油、昭和シェル石油、東燃ゼネラル石油、東洋エンジニアリング、日本ケッチェン、JX日鉱日石リサーチ、コスモ総研、日本エネルギー経済研究、石油エネルギー技術センター(主催)

(欧州側)2名
内訳:CONCAWE(欧州石油環境保全連盟)


【概要】

開会の挨拶をするJPEC中野専務理事 CONCAWEの事業を紹介するLane事務局長
会議は、「1.技術セッション」「2.政策・技術戦略セッション」「3.自動車燃料セッション」の3セッションから構成され、日本側より5件、欧州側より5件の計10件の発表がなされました。今回、日本側の発表はCONCAWEからの要望を受けたテーマについて発表を用意しました。また、発表に続いて行われた質疑応答を通じて日欧が保有している最新の技術情報を交換し、内容についての理解を深めることができました。

1. 技術セッション

欧州側からは再生可能エネルギー指令(RED)と改定燃料品質指令(FQD)に関連した、市場(SS)における燃料品質調査結果、バイオディーゼルの長期保管による性状変化、バイオ燃料内の微生物の発生問題などについての技術的内容の発表がありました。

日本側からは、JPECでの最新の重質油改質技術研究と触媒開発成果報告、また本年度から開始されたペトロリオミクス技術開発についての説明が行われました。軽質油の処理が多い欧州製油所のCONCAWEが重質油処理技術について興味を持ったことについては、「CONCAWEは石油メジャーが会員なので、世界中の精製技術に関心があること、また、欧州ではペトロリオミクスのような大規模な研究体制を構築することはできないため、JPECのこの研究体制に興味を持った。」とのコメントがありました。



2. 政策・技術戦略セッション

欧州側からは現在の欧州製油所が直面する政策面での問題点について説明がありました。排出権取引制度(EU-ETS)については、2013年に開始されるETS第3期間における欧州製油所での無償割当て・ベンチマークと負担制度や、IMOの舶用燃料規制の施行スケジュールなどについて説明がありました。また近年、欧州で製油所が売却されている現状での製油所を所有する石油会社の変遷状況と、温室効果ガス削減のための輸送用燃料におけるバイオ燃料の導入政策と、長期の対策として欧州におけるCCS導入についての説明がありました。

日本側からは、東日本大震災でエネルギー基本計画の見直しが検討される現状で、震災後のエネルギー需給の課題について日本エネルギー経済研究所の森田研究理事から講演がありました。



3. 自動車燃料セッション

欧州側からは、バイオ燃料については、EU各国における導入状況と市場サンプリング調査による各国別の含酸素量、エタノール含有量の報告がありました。また、CONCAWEでの6台の実車試験によるさまざまな温度条件下での一酸化炭素やNOxのエミッション結果について説明がありました。さらに、CONCAWEがFEV社およびRWTH AACHEN大学と共同研究を行っている最新の燃焼方式のエンジン車両の開発とそれに対応する燃料の研究についての説明がありました。

日本側からは、JPECからJATOPの活動状況と日本におけるバイオ燃料政策について説明を行いました。また、水素燃料電池と水素インフラの普及については、JX日鉱日石エネルギーの斎藤部長から講演があり、普及計画スケジュール、石油会社・ガス会社におけるビジネスモデル、またこれまでの「水素・燃料電池実証プロジェクト(JHFC)」の活動実績と今後の「水素供給・利用技術研究組合(HySUT)」の活動計画についての説明がありました。

発表中の会場の様子
なお、次回の第5 回日欧石油技術会議は来年ブリュッセルでの開催を予定しています。


【第4回日欧石油技術会議】プログラム

日本:   ヨーロッパ:  
時間 講演タイトル 講演者・団体名
10:00-10:30 開会挨拶 Mr.Nakano(JPEC)
CONCAWEの活動について Mr.Lane(CONCAWE) English Pdf file
JPECの活動について Mr.Tsujimura(JPEC) English Pdf file
1.技術セッション
10:30-11:10 Fuels and Emissions Research Activities Dr.Rose(CONCAWE) English Pdf file
11:10-11:30 JPECの最新重質油改質技術研究について Mr.Takasawa(JPEC) English Pdf file
11:30-11:50 ペトロリオミクス技術開発への取組みについて Mr.Nakaoka(JPEC) English Pdf file
11:50-12:00 セッション1ディスカッション  
2.政策・技術戦略セッション
13:30-14:00 Climate change and environment: challenges for European Refining Mr.Lane(CONCAWE) English Pdf file
14:00-14:30 東日本大震災後の日本のエネルギー需給の課題 Mr.Morita(日本エネルギー経済研究研所) English Pdf file
14:30-15:00 Outlook for European Refining: IMO関連、CO2, CCS, and WTW Dr.Rose(CONCAWE) English Pdf file
15:00-15:15 セッション2ディスカッション  
3.自動車燃料セッション
15:30-16:00 JATOPの活動概要と日本のバイオ燃料の状況 Mr.Watanabe(JPEC) English Pdf file
16:00-16:30 Biofuels in the European Union Dr.Rose(CONCAWE) English Pdf file
16:30-17:00 日本における水素燃料電池・インフラの開発計画について Mr.Saito(JX日鉱日石エネルギー) English Pdf file
17:00-17:30 Advanced Combustion Engines and Fuels Dr.Rose(CONCAWE) English Pdf file
17:30-17:45 セッション3ディスカッション  
17:45-17:50 閉会挨拶 Mr.Tsujimura(JPEC)