3.石油産業安全基盤整備関連
当センターでは、2005年度より石油産業安全基盤整備事業に取り組んでいます。
この事業は、製油所の安全安定運転を支援し事故を防止することにより石油の安定供給を図ることを目的としたもので、現在は2008年度から4年計画で始めた第2期の石油産業安全基盤整備を推進中です。
その主な内容は、@事故事例等の収集・解析やWebラーニング教材の製作など、第1期の事業で構築した安全支援システム「PEC─SAFER」のコンテンツの充実とシステムの高度化、A安全に関わる最新技術を製油所設備へ適用することを目的として、改善・改良に取り組む適用調査です。
(1)安全支援システム(JPEC-SAFER)
PEC─SAFERは、以下の5つのデータベース(DB)から構成されています。

@ヒヤリハット事例DB・事故事例DB
製油所関係の事故事例および事故に至る前に防止できたヒヤリハット事例を収集し、トラブルの要因、再発防止対策等の解析を加えて活用しやすいように加工し、石油業界全体で共有することによる事故の再発防止を狙いとしています。現在、ヒヤリハット事例320件、事故事例401件を公開しています。
A安全教育DB
ベテラン技術者が減少する中で、若手社員への保安技能の伝承や保安教育を支援する目的で、教育資料合計838編を公開しています。(一般基礎知識173編、操作に関する知識・技術597編、Webラーニング教材56他)また外部団体が公開しているWebラーニング教材とも直接リンクを張り、PEC─SAFER上で容易に閲覧することが出来ます。
B劣化事例DB・工事管理DB
設備に係る事故には、設備の劣化に起因するものと工事品質不良(溶接欠陥、フランジの締め付け不良など)に起因するものとがあります。劣化事例DBは通常公開されない劣化事例を共有化し水平展開することにより、事故の再発防止を狙いとするものです。工事管理DBは設備所有者の立場で工事品質を確保するために、管理のポイントを、ガイドラインとして纏めたものです。現在劣化事例は153件、工事管理ガイドラインは23編を公開しています。
(2)安全技術の適用調査
安全に関わる最新技術を製油所設備へ適用出来るように改善・改良して、事故を防止することを狙いとし、以下の主要2テーマに取り組んでいます。
@教育用バーチャルリアリティの構築
バーチャルプラント(VP)をパソコン上に創り出し、若手技術者がこのVPを使って事故やヒヤリハットを疑似体験することにより再発防止のための知識を身につけ、また事故が発生した場合には、適切な行動がとれるように支援することを狙いとしています。
Aタンク底板保全管理技術の確立
タンク底板の腐食はタンク外から確認できないため、定期的にタンクを開放し内部から検査しているのが現状で、定期的な開放検査が法律でも要求されています。しかしながら、開放検査の結果腐食が軽微というタンクも多く、供用中にタンクを開放することなく底板の腐食状況を把握することが可能になれば、設備の信頼性が向上し、かつ腐食の状況に応じた合理的な開放検査が技術的に可能となります。このためAE法(Acoustic Emission)によるタンク供用中の腐食評価技術の確立を目指しています。
